ミスト見てきた

学校帰りに有楽町で。渋谷でやってないんだよなあ('A`)
以下ネタバレ感想
もともとホラー系は苦手で極力見ないようにしてるんですが、霧の中に潜むモノの正体が気になったりとか、作品の主な舞台となってるスーパーマーケットに取り残された群集うんぬんの話を聞いてたぶんデッドライジングみたいな映画なんだと思い見に行くことに。四時台の開始だったのもあってスバル座がら空きだったなw

霧からの生存者、発電機前シャッター事件、脱出組の全滅、深夜の襲撃・・・と段階を踏んで増幅される「何か」への恐怖と、そうした状況で発言力を増すカルト女の下、「贖罪」と称して生きた人間を犠牲にすることも厭わなくしてしまう群集心理への恐怖の絡み合い。ぶっちゃけ「何か」はかなりグロテスクではあったもののその怖さはホラー物の域を出なかったわけですが(それでもホラー嫌いな俺は目を開けて見れなかったorz)、カルトおばさんの煽動の方はわりとリアルというか、最初はあまりにカルト臭くて誰も相手にしないんだけど、予言めいて言った事が実現するうちに*11人2人と信奉者を増やし、次第に残された人々の大半を掌握していく過程は見ごたえがあった。正直彼女自身も心の奥底では神の声なんて信じてなくて、惨劇を「神の断罪」として受け入れるどころか普通にショックを受けたり、自分を祭り上げる集団が暴走した時には驚いて一瞬戸惑いを見せるんだけど、一方でそうした状況を利用して自分の「預言者」としての地位を確保することにも余念のないしたたかさを併せ持ったりと女優の好演も相まってなかなか味のあるキャラとして描かれてたね。あと主人公の息子を生贄に指名した際に、当初は普通に「神の意思を代弁」していたのが、次第に自分をひっぱたいた女に対する怒りの方が顔を出して「あの女を捕まえて」へとなってしまった所。こういう人間臭いところは嫌いじゃないんだけど、「神の意思」を語りながらも結局は聖書の言葉を借りて自分が好きなように振舞ってるだけだったってのが露見し、ヘルシングのマクスウェルよろしく最後は店員さんに断罪されてたのが印象的でした。これも作品のテーマである「神への驕り」を端的に示した良いシーンだった思います。

ファイヤーガンおばあちゃんといい射撃チャンピオンといい良いキャラがみんな死んでいく中で、独り取り残された主人公を突き放すような衝撃のラストはハリウッド的にどうなのかなとも感じたけど、そういったやりきれなさがあるからこそかえって人の心に小骨のごとく引っかかり、残り続けるのかな。まあ欝エンドでしたが面白い映画でした。

(追記)
感想漁って2ちゃん映画板のミストスレ見てたんだけど、最後の主人公のおっさんがカモーンって言うシーンがガチムチレスリング風に見えたってのがコピペ化してて噴いた。やっぱそういう風に見えるよなあw

*1:「夜に奴らは襲ってくる」→実際に襲撃といった予言。もはや言ったもん勝ちレベル